タイトル:ご質問です!
投稿者:たかくん
こんにちは。初めて投稿します。
今、LightWaveを使っているのですが、グラフィックカードについてホニャララ…
インターネットを利用していれば、大抵は質問&回答型の掲示板を見たことがあると思いますが、そういった掲示板でよく目にするのが、上記のような投稿です。
…、 なんか、デジャヴュ…。
この投稿に違和を感じるかどうかは、どうも、ある年代を境にして真っ二つに分かれるらしいです。
今回の論点は勿論、敬語表現についてではありません。これについて読みたい方は、「ご質問です!~お前たち私の疑問にこたえなさい」(http://dracul-dormea.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html)をご覧ください。
今回の主題は、感嘆符についてです。
「!」 これですね。
感嘆符はかなり昔から存在して、いまさらその起源をさぐるのは無理でしょう。英語では、エクスクラメーションマーク(Exclamation mark)と言い、日本語で用いられるのとほぼ変わらない用途で用いられます。恐らく向こうが起源でしょうが、具体的なことは知りません。
この記号の意味についてはあまり説明する必要は本来はないはずなのですが、wikipediaから引用します。
感嘆符(かんたんふ)とは、約物のひとつで、「!」と書き表される。雨垂れ、または俗にビックリマークとも呼ばれる。また英語表記に由来した呼称「エクスクラメーション・マーク (exclamation mark)」と呼ばれることもある。強調を表し、強調を表す対象の後に置かれる。英語では「エクスクラメーション・ポイント (exclamation point)」ともいい、俗に「バン (bang)」や「スクリーマー (screamer)」などとも呼ばれる。
視覚的な表現として、注意や危険であることを表現するために用いられる。
用法としては、
これは危険なので、絶対に行わないでください!
そんなことしちゃ、ダメ!
のようになります。
あるいは、感動したときにあふれる気持ちを表現します。
ああ、すばらしい!
また、相手に対して猛烈に抗議する場合も使われます。
窓を閉めとけと言っただろ!
このほかに、勢いを表す意味で用いられることもあります。
さぁ、行くぞ!
こんな感じですね。
そろそろ、「おまえ、何でそんなあたりまえのことをごちゃごちゃ説明してるの?」と考えている方も多いと思いますが、もうちょっと我慢してください。
この感嘆符「!」ですが、wikipediaでの説明の通り、この記号自体がその前の文章を強調する効果があるわけです。簡単に言うと、ものすごく「勢い」がつきます。この表現を口で発音すると、おだやかに語るのではなく、怒鳴ったり叫んだりする形になるわけです。
タイトル:ご質問です!
うわぁ、なんか人ごみの中で叫んでるやつがいるなぁ… となるわけです。
たとえば命の危険が迫っているときに、
助けてください!
と叫ぶのは、ごく自然なことです。これは一大事と、手を貸す人は沢山いるでしょう。
ところがこれが、
助けてください!歯に小魚の骨がつまって気持ち悪いんです!!
だったらどうでしょう? うるせぇよ、バカ! と、普通なら思われますよね。その程度のことで大騒ぎできる元気があるなら、もうちょっと自分でがんばってみろよ、となります。
どうも、ある年代以降の人は、自分がバカげたことを大声でさけんでいるのだ、という認識ができない方が多いようなのです。
本当に困り果てて「助けてください!」というなら気持ちはわかるのですが、実際にはものすごく軽い気持ちで感嘆符「!」を使い、それがあたりまえだと思っているようです。自分が叫んでいることにすら気づいていません。簡単に言うと、言語感覚がずれているんです。
そういう人たちは、気軽につかって何が悪いの?と疑問に思うでしょうね。
考えてみてください。
あなたはデザイナーです。
あなたは印刷物のデザインを受注し、3日間ほとんど寝らずに素晴らしいデザインを行いました。良いデザインが出来たと自信もあります。
このデザインをクライアントに見せて了承を得るのですが、直接会えない事情があり郵送しました。
数日後、そのデザインが返送されてきました。そこには次のような記載がありました。
赤が強すぎる! もっと薄く!
イラッとしませんか?
こういうことを平気で書く人が、世の中にはたくさんいるんですよね…
それで、「ああ、よっぽど気に入らなかったんだろうな…」と思うのですが、後日会って話してみると「大体いいんですけど、あそこだけ気に入らなかったんですよね。ワガママ言ってすみません」とか、拍子抜けするほどやわらかい口調で話されたりすることになります。
赤が強すぎる もっと薄く
感嘆符を抜いただけです。受ける印象はどうでしょう?
理想を言えば、「赤がつよすぎるのでもう少し薄くしてください」と書いてほしいところですが、相手も忙しい身でしょうからそこまでは望みません。でも、感嘆符を省くだけでずっとアタリがやわらかくなるのは感じられるのではないでしょうか?
受注を行う仕事をしていると、明らかに相手のミスによる修正を行わなければならない時が頻繁にあると思います。その時に相手から
申し訳ありません! こちらのチェック漏れでした!
大変お手数ですが、修正のほど、何卒よろしくお願いします!
なんてメールが来たら、どう思いますか?
「なんかやたら元気でハイテンションだけど、お前、自分が悪いってこと理解してるのか?」と思いますよね、労力を割いて修正するのは相手ではなく自分なんですから。確かに詫びてもいるし言葉遣いも丁寧ですが、うわっつらの謝罪でぜんぜん反省なんかしてないな、どうせまたやらかすぞ、こいつ… という印象を持ちかねません。
重大な失敗をした人が、ニコニコ笑いながら大声で「すいませんでした、次回から気をつけます!」と言ってきたら、そんな人は絶対に信用しないでしょう? 謝罪するときは、神妙な面持ちで詫びるのが普通です。
重大な失敗をした人が、ニコニコ笑いながら大声で「すいませんでした、次回から気をつけます!」と言ってきたら、そんな人は絶対に信用しないでしょう? 謝罪するときは、神妙な面持ちで詫びるのが普通です。
にもかかわらず、こういうことを書いてしまう人が、ある年代を境に多いんですよね。
さて、ではその年代はどのあたりかですが、大体昭和50年代以降生まれの方で、具体的には高校・大学の頃に携帯電話を使うことが当たり前になった世代以降です。
携帯電話の普及はそのまま、電子メールでのコミュニケーションの日常化を促しました。
友達関係を何よりも重視する若者にとって、文字だけのコミュニケーションはかなり不安があり、絵文字や顔文字を使うことがあたりまえで、それを使わないのは手抜きで失礼なことになるという、妙なマナーができあがることになりました。
「明日会おうね」では足りず、「明日会おうね!」とすることが普通になり、さらにハートやピースマークといった絵文字を補うことが常識となっていったわけです。
こうした世界で生きてきた人は、感嘆符「!」をつけることが相手に対して親密さをアピールする基準になっているようです。
ですから、この過剰な感嘆符の使い方が減っていくかというとそれはありえず、むしろこれからは常識化していくことになると思います。
実際、2000年代中盤くらいには掲示板で「!マーク、うぜー」といった書き込みが見られたのですが、最近はめっきり見なくなりました。感嘆符を多用する世代が沢山流入して、完全に市民権を得てしまっているのだと思います。
言葉は生き物なので、時代とともに移り変わっていきます。感嘆符「!」に心を乱される古い世代は、早く朽ち果てるべきなのかもしれません。
ただまぁ、とりあえず現段階では、
タイトル:ご質問です!
なんてわめいてるうちは、もうちょっと自分でがんばる余地があるほど元気なので、助ける必要はないなと思うわけです。
本人は軽い気持ちで使っているのだと思います。前述したように好意的なアピールでもあるでしょう。「ねぇねぇ、ちょっと教えてよ」と友達に尋ねるくらいのつもりで、全く関係ないアカの他人に声をかけているんです。普通、そんな態度で知らない人間にものを尋ねられたら相手にしませんよね。
ですから、本当に困り果てて藁にもすがりたいなら、もうちょっと自分を弱々しく見せる努力をしましょう。大した風邪でもないけど、学校を休みたいからとてもつらいフリをしたことありませんか? あの要領です。
本人は軽い気持ちで使っているのだと思います。前述したように好意的なアピールでもあるでしょう。「ねぇねぇ、ちょっと教えてよ」と友達に尋ねるくらいのつもりで、全く関係ないアカの他人に声をかけているんです。普通、そんな態度で知らない人間にものを尋ねられたら相手にしませんよね。
ですから、本当に困り果てて藁にもすがりたいなら、もうちょっと自分を弱々しく見せる努力をしましょう。大した風邪でもないけど、学校を休みたいからとてもつらいフリをしたことありませんか? あの要領です。
別の観点になりますが、元プロテニスプレイヤーに、松岡修造という方がいます。何を話すにも熱意を持って話すので、聞いているほうは若干疲れてしまいます。言ってみるなら、全ての言葉の語尾に「!」がある状態なんですよね。そういう文章を見せられると普通の人は疲れます。親しい仲ならわかりますが、仕事上の付き合いしかない相手に感嘆符を使いまくられるとどうでしょうね?
感嘆符「!」はとても強い記号で、強力な刃物のような存在です。ですからむやみに振り回すと周りの人を傷つけることを理解しましょう。
ちなみに、とある機関の調査で、テスト用紙の採点のマーカーを赤色から紫色に変えたところ、それを受け取る小学生の心理的負担が劇的に改善されたそうです。赤色というのは攻撃的な色で、この赤色で「0点」とか書かれると、人間はものすごくストレスを感じるようです。
印刷業界では「修正指示は赤色のマーカーで」というのが常識になっています。ですがこれは人間的にやさしくないので、紫色のマーカーに変えるべきです。
赤が強すぎる もっと薄く
ではなく、
赤が強すぎる もっと薄く
と書くようにすべきでしょう。そうすると、もっとみんなが幸せに笑ってすごせるようになるかもしれません。紫は輝度が低いので普通の文字に埋もれてしまいがちですから、必ず蛍光紫にしてください。マーカーなんて安いですから企業であれば経費で購入し、クライアントにそのマーカーを渡して指示を書いてもらうようにすればよいのではないでしょうか?
感嘆符「!」についても同様にいえることですが、あなたが独り言を言っているのでなければ、その言葉の向こうには必ず人がいます。
相手の立場になって言葉を発することが大切だと思うのです。
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