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2021年1月27日水曜日

Tribute to the Past / Gamma Rayの歌詞の考察~心の属する場所への帰還


ようやく辿り着きました。

50年掛かりました。とても長い旅路でした。

これからは、未来へと進路を取ります。


Tribute to the Past(過ぎ去りし日々に捧ぐ)

Lyrics: Kai Hansen, Jan Rubach
Composed: Kai Hansen, Jan Rubach


He had found a way to leave, to somewhere far from now.

Traveling in his time machine, a dream that had come true.

彼はここより彼方にある何処かへと去る方法を見つけた。

彼のタイムマシーンでの旅により、彼の夢は実現された。


Fly! my friend, you will see, something called reality.

I feel good, I'm all right, 

(I'm) doing what I please, I travel time.

飛べ! 我が友よ。君は見るだろう。“現実”と呼ばれる何かを。

とても良い気分だ。わたしは問題ない。

わたしは気の赴くままに、時を旅する。


Far beyond the rising sun, I ride the wings of fate.

昇る太陽の遥か彼方へ向って、わたしは運命の翼に乗る。


(I'd) prepared to go where my heart belongs.

(I'll) back to the past again.

わたしの心の拠り所となる場所へと向かう準備は整った。

わたしは再び過去へと戻る。


I just want to save the universe for all mankind.

He wants to save the future of the earth.

わたしは全人類の為に世界を救いたいだけだ。

彼は地球の未来を救う事を望んでいる。


Step by step, surroundings change as years go passing by.

He only stops to gaze a little while.

過ぎ去っていく時の流れのように、わたしを取り巻く世界が一つずつ変化していく。

彼はしばし熟視する為だけに立ち止まる。


I push the button (why I'll go) further on.

I just can't get enough.

わたしはもっと先に進むためボタンを押す。 
わたしはまだ満足できないんだ。


I know I will return again, but still I'm movin' on.

わたしは再び現在へと戻って来る。でもまだ、わたしは過去へ向かい続ける。


Far beyond the rising sun, I ride the wings of fate.

昇る太陽の遥か彼方へ向って、わたしは運命の翼に乗る。


(I'd) prepared to go where my heart belongs.

(I'll) back to the past again.

わたしの心の拠り所となる場所へと向かう準備は整った。

わたしは再び過去へと戻る。


As I movin' on, I see things to come, I see tears and I hear laughter.

過去へと向かうほど、様々なものが現れ、わたしは数々の涙を見、笑い声を聞く。


Curiosity, comin' over me. 

What is next and what will happen?

好奇心がわたしの上に覆いかぶさる。

次は何だ? 何が起こる?


And I see the lies and I hear the cries and the marchin' of the people.

わたしは数々の嘘を見、数々の嘆きを聞き、行進する人々を見る。


As they go to war, heaven knows what for.

God, I think I've had enough now.

彼らは戦争へと向かうようだ。天はそれが何の為なのか知っている。

神様、もう十分です! わたしは十分知り尽くしました。


Too late, too late, I can't go back no more!

I lost control of the engine.

遅い、遅過ぎた! わたしはもう元の世界へと戻れなくなった!

わたしはエンジンのコントロールを失った。


No light, no light, (I) can't see where I have gone!

(I) can't see where I have now gone to.

暗い、全く灯りが無い!わたしが何処へ向ったのか見えない!

わたしは今何処に向ったのか全く分からない。


Where am I now? (I) stranded in time.

わたしは今何処にいるんだ? わたしは時の中で座礁した。


So many years have passed since I had gone,

And I have seen what's gonna be.

わたしが旅を始めてからとても長い月日が流れ、

わたしは物事の成り行きという物を見た。


But now I know it's useless to travel on.

しかし今となってはもう、旅を続ける必要は無くなった。


And I will return to the time and place (where) I belong to, Ah...!

だから、わたしはわたしが属するべき時と場所へと帰還しようと思う。あぁ…。


Far beyond the rising sun, I ride the wings of fate.

昇る太陽の遥か彼方へ向って、わたしは運命の翼に乗る。


(I'd) prepared to go where my heart belongs.

(I'll) back to the past.

わたしの心の拠り所となる場所へと向かう準備は整った。

わたしは過去へと戻る。


Far beyond the rising sun, I ride the wings of fate.

昇る太陽の遥か彼方へ向って、わたしは運命の翼に乗る。


(I'd) prepared to go where my heart belongs.

(I'll) back to the past again.

わたしの魂の宿る場所へと向かう準備は整った。

わたしは再び“現在”へと還る。


2020年12月16日水曜日

Sole Survivor / Helloweenの歌詞の考察~唯一人の生き残り




実に、6年以上ぶりの投稿となります。

とても長い月日が流れ、私を取り巻く環境は目まぐるしく変化しました。
幾つもの新しい世界で生まれ変っては死を繰り返し、
全く新しい常識と共に、より多くの新しい出逢いと別れを経験しました。

それは正しく輪廻そのものであって、
私は、世の中の成り行きという物を見ました。

ですが、もう十分です。
これ以上、旅を続ける必要は無いでしょう。
私はそろそろ、私が属すべき時と場所に戻ろうと思います。


そこに至った今、再び書き記す『言の葉』のモチーフは『Sole Survivor』。
Helloweenが1995年1月1日にリリースされた曲という事になっています(出典: wikipedia)。

Kai HansenとMichael KiskeがHelloweenを去った後、Andi Derisをシンガーとして迎え入れMichael Weikathと二人で書き上げた、全く新しいHelloweenの嚆矢とも言える楽曲です。

ジャンルとしてはPower Metalに属するらしく、この曲が収録されている『Master of the Rings』は全体として、Hansenが脱退した後の『Pink Bubbles Go Ape』のような俗っぽさを捨て去り、更に変貌を遂げています。

さて、ではここから歌詞の翻訳を行っていくわけですが、
例の如く、別の方が行った和訳について評論をしながら私流の歌詞の考察を行っていこうと思います。

考察を行うにあたっては、こちらのサイト『https://red-goose.com/solo-survivor-helloween/ 』の『歌詞及びその和訳』を例示する事としました。

それでは、行ってみましょう。

Sole Survivor

唯一の生存者
Composed: Michael Weikath, Andi Deris
Lyrics: Michael Weikath, Andi Deris

 

I got that fever
burning in my head 
俺の頭で燃えている熱を
くらっちまった

一体何なのでしょう? この意味不明の訳は?

まず、I got fever なのに、どうして『くらった』という受動態表現になるのでしょうか? 全く意味がわかりません。

それと、歌を聞いてみると『burning in my head』ではなく『burning my head』で、『頭を焼いている~』ですね。

そして、『get a fever』で『高熱に冒される』ですから、正しく書くとこうです。

I got that fever (that is) burning my head.
頭を焦がし続けるあの熱に冒された

もう、初っ端から狂っています。
次に行きます。

So many memories
no tear to shed

たくさんの記憶を
 洗い流す涙もなく

え? どこから『洗う』という言葉が出てきたんでしょう? 全く意味が分からない。
そして『~なく、…』って事はどこかに続くんですか? 何で続いちゃうんですか? 
理解出来ません。正しくは、こうです。

So many memories, no tear to shed.
沢山の想い出、流す涙は無い

次、行きます。

Burns like a fire
who stole my aims

炎のように燃えて
俺の目的を奪い去る

えー? どうしてそのwhoを関係代名詞だと思っちゃいました?
fireが人なわけないじゃないですか。関係代名詞ならばそこはwhichですよ?
そしてaimsですから複数形。そのくらいちゃんと訳しましょうよ。

正しくはこう。

Burns like a fire, who stole my aims?
炎のように燃えあがり、私の目標達を奪ったのは誰だ?

次に行きます。

My comrade fighters
been set astray

俺の仲間の闘士たちは
道に迷っている

はい、『迷っている』なら道案内してあげましょう。お友達なんですから。
正しくは、こう。

My comrade fighters (has) been sent astray.
私の同志達は堕落させられていった

astrayは『堕落して』(副詞)の方ですね。

大体、何ですか? 『闘士』って。『聖闘士星矢』の観過ぎなのではないでしょうか?

明らかに『戦闘を背景とした歌』ではないのですから、そこを『直訳』してどうするつもりなんでしょうか? 他については、“合っているのか間違っているのかを度外視”したとしても『意訳』ばっかりしているのに。

『set』は割と珍しい set set set という『三動詞不規則動詞活用』なのですが、ここは『set astray』ではなく『send astray』です。

意味は『give false or misleading information to ~=~に誤った情報や誤解をさせる情報を与える事』(出典:send astray : definition of send astray and synonyms of send astray [English])であって、これはこの後に続く二文節をそのまま表す事となりますが、文意としては『lead astray=誤った方向に導く、道に迷わせる、邪道に導く、堕落させる』(出典:weblio)であって、ここでは恐らく『堕落』を意味します。理由は最後に。

そしてここ、見れば分かりますが『過去分詞』なんです。何故だと思いますか?
少なくとも例示した翻訳者はここのところを全く理解できていません。
この言葉の意味も、一番最後にやって来ます。

次に行きます。

How could I know what
others had in mind for me

俺はどうやって他のことを
頭で考えることができるんだ

勘弁してもらえませんか? othersがhadしたんですよ? どうして『俺が他のことを考え』てしまうんですか?
本当に、関係代名詞くらい、ちゃんと理解して下さい。

正しくは、こう。

How could I know what others had in mind for me?
他の人たちが私の為に何を思うか、どうして私が知ることが出来ただろう?

have in mindで『考慮している』という慣用句ですね。

次行きまーす。

How could they know what
measures I take

奴らはどうやって俺が
選ぶ道を知ることができるんだ

えーと、takeが主旨だと思って『選ぶ』って訳してしまったんですか? そんなわけないじゃないですか。主旨はmeasuresの方、意味は『評価する、推し量る』です。
つまり『私の評価、私の判断』、そしてそれを指し示す関係代名詞であるwhatです。

更にいうと『How could they know / どうやって知ることができるんだ』って、他人の能力の可否なんか、分かるわけないですよね?

さっきの歌詞は自分の事だったから How could I knowだったんですけど、ここはちゃんと聞いてみれば分かりますが、How "would" they knowと歌っています。つまり『どうして知ることが出来ただろう?』で、日本語にすると似ていますが、意味は全然違います。『My comrade fighters』を『能無し』扱いしないでくださいね。

もっと言うと、『奴ら』って何すか? 曲がりなりにも『元 comrade(同志)』ですよ? 『奴』って言います? あ・り・え・な・い。

そして、『what measures I take』ではなく、ちゃんと聞いてみれば分かりますが『why measures I take』、つまり『私が判断した理由』です。“関係副詞” ですよー?

だから、こう。

How would they know why measures I take?
私の判断の理由を、どうして彼らが知ることが出来ただろう?

次行きまーす。

Sole survivor of
a kill without alert

警告なき殺戮からの
唯一の生存者

ここ、ほぼ間違っていない事は確かなのですが、私は、こう訳します。解説は一番最後に。

Sole Survivor of a kill without alert,
警告無しの殺戮からの唯一人の生き残りよ

次です。

Sing your feelings
on your song remains unheard
Sole Survivor

お前の気持ちを歌え、
聞かれることのないお前の歌にのせて
唯一の生存者

おーい、どうして命令形になっちゃうんだー?
『on your song』なら『お前の歌にのせて』じゃなくて『お前の歌に乗って』だぞー? 頭大丈夫かー?
もう、色々めちゃくちゃ過ぎ。正しくは、こう。

(Even if you) sing your feelings out, your song remains unheard, Sole Survivor.
君が心の内を叫んだところで、君の歌は誰の耳にも残らない。唯一人の生き残りよ

sing outで『叫ぶ、どなる』ですよー。慣用句、ちゃんと理解しましょうねー?
次行きまーす。

We share like brothers 
a light in the black 

俺たちは兄弟みたいに分け合って 
暗闇の中の光 

Totally blended, 
bold and erect 

完全に混ぜあった、 
太く高く

もー、正しくはこう。

We shared like brothers a light in the black.
我々は闇の中で光を兄弟のように分け合った

Totally blended, bold and erect.
太く真っすぐにそそり立ち、完全に交わった

後段は『セックスの直喩』のように見えて、実は『互いを信頼し合った事の暗喩』です。

But we’ve grown intriguers
till it’s too late

だが俺たちは策略者として育った
手遅れになるまで

育っちゃったんですね…。『育った』ならgrow upだろうなぁ…。

正しくは、こう。

But we've grown intriguers till it's to late.
だが我々は手遅れになるまで陰謀者へと変貌を遂げてしまった

はい、次…。

Time has brought fire,
fear greed and hate

時は炎を手に入れた、
恐怖は貪欲で嫌悪する

マジで言ってるっすか? bringって『運ぶ』っすよ? 何で『手に入れ』ちゃうんすか?
『恐怖“は”』? それ、主語っすか? どうして主語になっちゃったっすか?
正しくは、こう。

Time has brought fire, fear, greed and hate.
時は炎と恐れと貪欲と憎しみをもたらす

『A, B, and C』という列挙型、中学校の英語で習いますよ? 勘弁してくださいよ、本当に。
はい、次、2番のサビです。 

Now I’m crying,
I’m shattered on the ground

今俺は泣いている
大地の上で疲れ果てている

泣きたいのはこっちの方っすよ。『shattered』は確かに『くたくたになった』というshatterの過去形ですけどね、ここ、be shatteredということは過去分詞なので『くたくたにされた』ですよね?

誰から? 無いんです。その使役者が誰なのか説明されていないんです。
と、いうことは『間違い』。残念。

正しくは、こうです。

Now I'm crying. I shed on the ground.
今、私は嘆きながら大地の上で涙をこぼす

ちゃんと聞いてみれば分かりますが『I shed』と歌っています。
歌詞カード、そのまま信じたらダメっすよ?

All I find
has died anyway

俺が見つけた
全てのものは死に絶えた

はい、anywayどっか行っちゃった。勝手に単語を無かった事にしちゃ、ダメ。残念。やり直し。

正しくは、こう。

All I found has died anyway.
私が見つけた物すべてはとにかく死に絶えた

当然、『find』じゃなくて『found』ね。has died(現在完了)している物が同時に現在形であるわけないでしょ。

次行きまーす。

 Sole Survivor of
 a kill without alert
 Sing your feelings
 on your song remains unheard

ここは1番と同じなので説明は省略します。

Sole Survivor of a kill without alert,
警告無しの殺戮からの唯一人の生き残りよ

 (Even if you) sing your feelings out, your song remains unheard.
君が心の内を叫んだところで、君の歌は誰の耳にも残らない。

次が一番大切なところです。

Sole Survivor got
a voice without a sound

音のない声を持っている
哀れな虐待者たちは

Mean mistreaters
took away your ground
Sole Survivor,

お前の土地を取り上げた
唯一の生存者 

実は、これ全部で一文節なことは間違っていないのですが、意味が全然違います。
この翻訳者、全くこの歌詞の背景を理解出来ていなかった事が『私の訳』を見れば『一目瞭然』となるでしょう。

では、いきます。

『本当の意味』、つまりこの曲を書いた、恐らくはWeikathが一番言いたかった事は、
実は『これ』なんです。

Sole Survivor (who) got a voice without a sound,
音無き声を聞いた唯一人の生き残りというのは、

(Thus that means) "Mean Mistreaters" (who) took away your ground, Sole Survivor
(つまり)あなた自身の大地を奪った “不器用な者達” の事なんだ。唯一の生存者よ。

理解出来ますか? 『本当に孤独となったのは自分ではなく、去っていった仲間達の方だ』と言っているのです。

『人を本当に孤独たらしめる物、それは、弱く愚かなその人自身だ』と。

『Keeper of The Seven Keys』において『闇と光の戦い』を描いたWeikathがその先に視たものは、弱い人間が陥る『孤独と孤立』でした。それは恐らく、Weikathが当初想像もしなかった『8つ目の海』であったでしょう。

それは確かに、憎しみでも、恐れでも、無関心でも、貪欲でも、快楽でもありませんでした。
(5つ目と6つ目は不明。5つ目について歌詞カードでは『ignorance=無知』となっているが、実際には『of encurs』のように歌っている。これが『of man curse=男性の呪い』であったならそれは『快楽』と等価であると思われるが、であればやはり残りの2つが不明となる)

同志達の中に生じた不和、そしてHansenとKiskeの脱退という時の流れの中で、Michael Weikathという人はここまでの境地に至っていたのです。

ですから、この曲のタイトルである『Sole Survivor』の和訳は『唯一の生存者』等ではなく『唯一人の生き残り』、その実態は『恩恵』ではなく、闇に取り込まれた事を意味する『堕落』であって、『自ら打ち捨てられて取り残された孤児達』の事なのです。

これは『Keeper of The Seven Keys』のような『お伽噺』ではない、もはや『隠者が諳んじる愁いの唄』と称すべき物でしょう。
それは、Weikathこそが、Weikath自身が語った幻想の預言者、つまり『the seer of visions』へと変貌を遂げた事を意味します。

ここで言う所の『Mean Mistreater』とは度々楽曲の題材として取り上げられている言葉のようで(出典:weblio)意味は『人付き合いの下手な人』という事らしく(出典:Yahoo! 知恵袋)仲違いして分裂していった元Helloweenのメンバー達の抽象でしょう。

ノリの良いポップでエネルギッシュな曲調はWeikathが被った仮面『Persona』でした。
本当のWeikathの恐らく『Animus』は心の底から嘆き悲しんでいた。粉々になりながら大地に涙を落としていた。

これこそが『Rock』の真髄です。

その嘆きの意味すら理解出来ない者がWeikathの事を『ヴァイキー』だなどと呼んだとしたら、そいつは恐らく、人の心を持たない『猿が進化した何か』以外の何物でもないでしょう。



その名を汚すことを、断じて容認するわけにはいかないのです、
真なる “唯一の生存者" として。

以上です。

2014年8月23日土曜日

Keeper of The Seven Keys / Helloweenの歌詞の考察~鍵を投げなければお前は死ぬ



先日実家に帰った時に、昔のCDを回収してきました。
物置に置いてあったCDは片っ端から捨てられてしまっていたのですが、自分の部屋に持ってきておいたものはなんとか無事で被害はそれほどありませんでした。

この曲が収録された「KEEPER OF THE SEVEN KEYS-PART II」は1988年のアルバムのようで、実に26年前のアルバムです。

邦題は「守護神伝」で、PART II とあるように第一章、第二章の2章立てとなっていて、七つの鍵の守護者である主人公が世界を悪魔の手から解放するために旅立つという、いわゆるコンセプトアルバムのようです。

なかでもこの曲、Keeper of The Seven Keysはその最後を飾る、これらのアルバムの主題ともいうべき曲で、13分37秒もある大作となっています。

とてもドラマチックな曲で、まるで映画を見ているような展開に何度聞いても感動します。

それで何気なく歌詞カードを眺めていたのですが、「ちょっとこれは…」という翻訳が目につきました。

throw the key or you may die

という歌詞なのですが、歌詞カードの和訳は

鍵を捨てたら死んでしまうぞ

となっていました。これは全く逆です。正しくは「鍵を投げなければお前は死んでしまうぞ」です。

この曲の世界観では、鍵の守護者である主人公が、七つの海に1つずつ鍵を投げ入れて封印することで世界を守ることになっていて、鍵を投げることが大前提なのです。

ですから、この和訳はあまりにもお粗末であり、流石に看過出来かねました。このような初歩的な間違いがあるということは、恐らく他の部分でも間違いがあるのではないかと十分に推察でき、一通り翻訳してみることにしました。

外国語の歌詞の翻訳においては翻訳権というのが存在していて、勝手に和訳を行って公開することは少々問題があるのですが、個人的にはこういった、本来の歌をゆがめているおかしな翻訳は作詞者を冒涜していると考えていて大嫌ですし、非営利目的での研究を目的とした引用は法的に認められていて、調べてみると歌詞全体でおかしなところだらけですので全文を引用して、正しいと思われる歌詞の考察を行っていくことにします。


Make the people hold each other's hands
and fill their hearts with truth
you made up your mind so do as divined 
人類が手を握り合える世界を創らなくちゃいけない
みんなの心を真実で満たすんだ
心を決めたおまえ
運命の定めに従え 


You must ~ 等で始まっているならそういう訳でもよいでしょうが、ここは~しなければならないと訳すのは変です。Make the people ~は、人々に~をさせる、という意味です。「運命に従え」と命令形になっていますが、であれば、最初のyouはなく、make upで始まるはずです。

人々に互いに手を取らせ、彼らの心を真実で満たさせる
予言に従い、お前は心をそのように固めた。

となります。


Put on your armour ragged after fights 
hold up your sword 
you're leaving the light
よろいを身につけろ 
戦いの後でボロボロになっても 
剣をかかげろ 
光のもとを去るおまえ

とにかくいろいろと滅茶苦茶なのですが、まず手に取るべき鎧について、raggedは形容詞なので、armour raggedでひとくくりで、「ぼろぼろになった鎧」です。ragged after fightsをそのあとのhold up your swordに結び付ける論理的根拠が全くありません。

また、「光のもとを去るおまえ」とありますが、それであれば

you're leaving "from" the light.

であるはずです。この場合のleaveは去るではなく、残すだと思われます。ですから、

闘いでボロボロになった鎧を手に取れ 
剣を掲げよ 
お前はまだ光を残している(または、お前はまだ光の下にいる)

が正しいでしょう。

make yourself ready for the lords of the dark 
they'll watch your way 
so be cautious, quiet and hark
心の準備をしろ 
ヤツらはおまえを狙うだろうから 
用心深く、静かに進め

ここはあまりおかしな訳にはなっていませんが、正しく訳すと

闇の主との戦いの準備をしろ 
奴らはお前の行く手を監視するだろう
だから慎重に、静かに、耳を研ぎ澄ませ

といったところでしょうか。

You hear them whispering in the crowns of the trees 
you're whirling 'round but your eyes don't agree 
will 'o' the wisps misguiding your path 
you can't throw a curse without takin' their wrath
木々の頂から 
ヤツらの囁きが聞こえる 
あまえはグルグル回っているけど 
その目は疑っている
鬼火の魂が 
おまえを迷い道に誘う 
呪いをかければ 
ヤツらの怒りをかうだけさ 

鬼火の魂とあるのは恐らく、「will」を魂と訳したのだと思いますが、will-o-the-wispで、鬼火です。

お前は木々の上で、奴らが囁くのを聞く 
お前は彷徨い歩くが、目に見えるものを信じていない 
鬼火がお前を道に迷わせる 
彼らの怒りを買う事なく、呪いを投げることはできない

こんな感じでしょうか。

Watch out for the seas of hatred and sin 
or all us people forget what we've been 
our only hope's your victory 
kill that satan who won't let us be--kill!
憎しみと罪の海から教訓を学ばないと 
俺たちはみんな人間性を失ってしまう 
勝利こそが唯一の望み 
俺たちを縛っている悪魔を殺すのだ

Watch out for the seasで、「教訓を学ぶ」という発想は少々理解に苦しむところです。前にも書きましたが、七つの海を封印することが目的であり、そこから教訓を得ようという物語ではありません。

また、「勝利こそが唯一の望み」については、何故連体修飾語を省いたのか理解できません。この歌は鍵の守護者である主人公について歌っている歌で、主人公の勝利こそが我々の望みなのです。

憎しみと罪の海に気をつけろ 
でなければ人々は、自分たちが何であったのかを忘れる 
我々の唯一の希望はお前の勝利だ 
我々が我々であることを阻む魔王を殺せ。殺せ!

さて、サビに移ります。

You're the keeper of the seven keys that lock up the seven seas 
and the seer of visions said before he went blind 
hide them from demons and rescue mankind 
or the world we're all in will soon be sold 
to the throne of the evil payed with Lucifer's gold 
おまえは七つの鍵の守護神 
七つの海を支配する 
幻の預言者が目くら(ママ)になる前に言った 
悪魔から身を隠し人類を救うのだ 
さもなくばこの世は 
悪魔の黄金に目がくらんだ邪悪な者たちの手中に堕ちてしまうぞ

1988年だけあって差別表現がありましたが、そのまま記載しましたことをお許しください。

まず「七つの海を支配する」ですが、lock up the seven seasですから「支配」ではなく「封印」です。

また、「予言者がめしいる前に言った」とありますが、預言者についての記述なので、多分このblindは目が見えなくなったことを意味するものではなく、未来を予知できなくなったことを指しているのだと思います。

「悪魔から身を隠し人類を救うのだ」については、hide "them"が完全にどこかに消えてしまっていて、まるで主人公が隠密行動を行うように勧めているかのようです。これは完全に間違いです。

加えて、ルシファーは堕天使であり、悪魔と訳すのはあまり適切ではない気がします。

お前は七つの海を封印する事が出来る、幻想の預言者が啓示を失う前に語った七鍵の守護者 
彼らを悪魔たちから隠し、人々を救え 
でなければ我ら全てが生きるこの世界は間もなく 
ルシファーの黄金と引き換えに邪悪の王に売り払われる

二番に移ります。

You can feel cold sweat running down your neck 
and the dwarfs of falseness throw mud at your back 
Guided by spells from the old seer's hand 
you're suffering pain only steel can stand
首筋を伝って 
冷汗が流れおちる 
虚飾の小人たちが 
おまえの背中に泥を投げつける 
老いた預言者の手から放たれる 
呪いに導かれ 
鋼鉄のみが耐え得る痛みに 
苦しめられるおまえ

ここは大体同じ翻訳になりました。

お前は首を伝う冷たい汗を感じる 
不誠実なドワーフたちがお前の背中に泥を投げつける 
老いた預言者の手によって書かれた呪文に導かれ 
お前は鋼でなければ耐えられないような痛みに苦しめられる

ブリッジに入ります。

Stay well on your way and follow the sign 
fulfill your own promise and do what's divined 
the seven seas are far away 
placed in the valley of dust heat and sway
しっかりとした足どりで啓示に従って進め 
誓約を果たし定め通りの行動をとるのだ 
七つの海は遥か彼方 
ほこりと熱と動揺のまっただ中にある

なぜ「しっかりとした足どり」のような訳をするのか分かりません。直訳すれば「お前の道中でお前を良い状態に保て」ですから、足の運び方については何も言及していないのです。

valleyもどこかに消えてしまっています。この翻訳者は、いろいろと単語を勝手になかったことにしてしまっています。

道を見失うな、導きに従え 
お前の約束を果たし、予言の通りに行動せよ 
七つの海は遠い 
それは灼熱で揺れ動く埃の谷の中にある

この後サビが入り、そのあと物語は急展開します。

Throw the first key into the sea of hate 
throw the second key into the sea of fear 
throw the third key into the sea of senselessness 
and make the people hold each other's hands 
the fourth key belongs into the sea of greed 
and the fifth into the sea of ignorance 
第一の鍵を憎しみの海に投げ入れよ 
第二の鍵を恐怖の海に投げ入れよ 
第三の鍵を愚劣の海に投げ入れよ 
そして人々が手を握り合うようにするのだ 
第四の鍵を貪欲の海に投げ入れよ 
第五の鍵を無知の海に投げ入れよ

senselessnessは適切な日本語が無さそうですが、ここは全体としてはそれほど難しい歌詞でもないので大体そのままです。

1番目の鍵を憎しみの海に投げ入れよ 
2番目の鍵を恐れの海に投げ入れよ 
3番目の鍵を無関心の海に投げ入れ
人々に互いの手を握らせよ 
4番目の鍵を貪欲の海に投げ入れ
5番目の鍵を無知の海に投げ入れよ
(※上記、of ignorance については、明らかに別の単語を歌っているが、まだ何と言っているのかは判明していない)

5つの鍵を投げ入れ海を封印したころ、悪魔は世の中に疫病を流行らせます。

Disease, disease, disease my friend 
for this whole world's in devil's hand 
Disease, disease, disease my friend 
throw the key or you may die 
病気だ 友よ、病に犯されるのさ 
この世は悪魔の手中に堕ちた 
病気だ 友よ、病に犯されるのさ 
鍵を捨てたら死んでしまうぞ

「病におかされるのさ」で、ちょっと笑ってしまいました。どう読んでも「病気がやって来た」としか言っていません。ヘビーメタルやハードロック系の歌詞カードをみると「~だぜ」とか「~だろ?」とか少々頭の弱そうな翻訳が目白押しなのですが、もう少し作詞者の尊厳を守るような翻訳をしていただきたいものです。

また、「この世は悪魔の手中に"堕ちた"」であれば

this world has been in devil's hand

のように過去分詞になると思われ、forで始まっていることを考えると、「この世を悪魔の手に堕とす病がやって来た」という意味だと解釈すべきだと思います。

そして最初に書いた通り、「鍵を捨てたらしんでしまうぞ」です。「鍵を投げること諦めたら死んでしまうぞ」ならわかるのですが、この翻訳は酷過ぎます。

病、病だ、病がやってきた我が友よ 
この世は悪魔の手に落ちる
病、病だ、病がやってきた我が友よ 
鍵を投げ入れよ、でなければお前は死ぬことになるぞ


さて、クライマックスに入ります。ここからがとても興奮する展開なのですが、やはり翻訳は変でした。

On a mound at the shore of the last sea 
he is sitting, fixing your sight 
with his high iron voice causing sickness 
he is playing you out with delight 
最後の海の浜辺の小高い丘に 
ヤツは腰をおろしおまえの視界を操作する 
高い金属的な声が病気を呼び寄せ 
奴はおまえを快楽攻めにする

まず、with his high iron voice causing sickness ですが、文章を簡単にすると with his voice that causing sickness であり、「病気の元凶となる彼の声で」です。「高い金属的な声が病気を呼び寄せ」などという訳は、文法を全く理解していません。

最後の海の海岸にある丘の上で 
奴は座り、病の原因となる甲高い鉄の声でおまえの視界を操作し
奴はおまえを快楽で弄ぶ


そして、最後の一番盛り上がる部分においては全く意味不明な翻訳になっています。恐らく訳者は歌詞の意味を理解できていないでしょう。

man, who do you just think you are? a silly bum with seven stars, 
don't throw the key or you will see dimensions cruel as they can be 
don't let him suck off your power, throw the key, throw the key, throw the key! 
自分を何様だと思っているんだ? 
七つの星を手にした愚か者 
鍵を投げたら、恐ろしく残酷な時空が 
現れ出るのだ 
ヤツに力を吸い取られちゃいけない 
鍵を投げろ……!

この部分は恐らく、2人の視点によって描かれています。前半は悪魔が主人公に対して語っている内容であり、最後の一節はこの物語の語り手の言葉です。括弧でくくると、物語が理路整然とするでしょう。

「お前は自分を何様だと思っているのだ? 七つの星を持った愚かなろくでなしよ
鍵を投げるな、でなければお前の仲間と同じように残酷な世界をお前も見ることになるぞ」
奴にお前の力を吸い取らせるな、鍵を投げろ!

全体的に見て、この翻訳者は or の用法をほとんど理解していないようです。有名なところではDead or Aliveなどがありますが、or は正反対の事柄を並べるときに使い、一般的にはAしなければBになる(だからAをしろ)という風に使います。

An earthquake, squirting fire, bursting ground 
Satan's screaming, and earth swallowing him away! 
地震、噴火、地割れ 
悪魔が叫び、大地がヤツをのみ込む!

どうやら主人公は、無事に最後の鍵を海に投げ入れたようですね。

地震がおこり、炎が噴き出し、台地が裂ける 
魔王は叫び声をあげ、地球が奴を飲み込んで行く

さて、エピローグです。

You're the keeper of the seven keys you locked up the seven seas 
and the seer of visions can now rest in peace 
there ain't no more demons and no more disease 
and, mankind, live up, you're free again 
yes the tyrant is dead, he is gone, overthrown 
you have given our souls back to light 

おまえは七つの鍵の守護神 
七つの海に鍵をかけたのさ 
幻の預言者もこれで安らかな眠りにつける 
もう悪魔も災いも現れまい 
そして人類は生き続け 
おまえは再び解放される 
暴君は死んだ 王座を追われ消え去ったのだ 
おまえは人類の魂に再び光を与えたのだ

また「鍵をかけたのさ」です…。「鍵をかけた」で良いと思うのですが、こういうのがカッコいいと感じる感性は理解できません。

また、「預言者も安らかな眠りにつける」というとまるで死んでしまうようですが、restとしか言っていないので、殺してしまうのはあんまりではないかと思います。

さっきまで「病気が来た!」という歌詞だったのに、突然 no more disease を、「災い」と訳すのも全く意味がわかりませんし、you're free again を「おまえは再び解放される」というように未確定な表現を用いるのも理解不能です。

そして、you have given our souls "back" ですから、「与えた」ではなく「戻した」ですね。

お前は七鍵の守護者、七つの海を封印した 
幻想の預言者は今は安らかにその身を休める 
二度と悪魔も病も蔓延ることはなく、 
人々は生きながらえ、お前は再び自由となった 
そう、暴君は死んだ、去った、滅ぼされた 
お前は我々の魂を光の下へ還した


四半世紀前の翻訳とはいえ、英文法自体が変わってしまったことなどあるはずがないので、これはさすがに、あまりにも適当すぎるのではないかと苦言を呈したいところです。

2012年12月22日土曜日

Night Games / Graham Bonnet 歌詞の考察~孤独なナイトゲーム

グラハム・ボネットの「Night Games」です。Rainbowを去った後のソロ活動中、1981年に発表した曲だそうで、wikipediaによると、この曲は西城秀樹によってカバーされているようです。





Night Games
ナイトゲーム
See the man in the busy street.
He's almost incomplete
He takes his pleasures in strange ways 
雑踏の通りを行くあの男を見ろ
彼はほとんど出来損ないで
変わった手段で悦びを得る 
And the lady in the library
She's just like you and me
You wouldn't know her at all 
そして、図書館にいる女性
彼女はまるであなたやわたしのようだが、
あなたは彼女の事を全く理解していないだろう 
She takes a train up to the great big city
She knocks the door and steps right in
He's just a fool that some would like to pity
They worked it out in the house of sin 
彼女は巨大な街へと電車で向かい
ドアを叩いて中に入る
彼は同情するほどまさに愚かで
彼らは罪悪の家で行為を行う 
Night games
They pay for their night games
They were two numbers they don't use names
It says in the rules
It's strictly for the cools to play 
ナイトゲーム
彼らは彼らのナイトゲームに金を支払う
彼らは2つの数字で互いを呼び合い、名前を使わない
それがルールだと言う
クールな者同士が行為を楽しむための厳密な手段だと 
The Night games
They play for their night games
Always blame one last frame
Games of the night 
ナイトゲーム
彼らは彼らのナイトゲームに金を支払う
いつも最後には自分自身を責める
夜のゲーム 
Every room has a different scene
Everyone has a different dream
You can get it any way you choose 
全ての部屋には違ったシーンがあり、
全員が違った夢を持っていて
とにかく、あなたが選んだものをあなたは手に入れられる 
You can get anyone you need
Anyone in the price's agreed
And nothing left for you to lose 
あなたが必要とする人は誰でも
あなたが提示した金で納得した者は誰でも手に入る
あなたに失敗はない 
It's entertainment for the lost and lonely
And cabaret for those who dare 
それは敗者と孤独な者のためのエンターテインメントで
思い切った者達のためのキャバレー※1だ 
The last attainment of the one and only
It's got to be to get you there 
最後に達成すべき唯一の事は、
あなたがそこで“あなた”を手に入れることであるはずだ



注1:キャバレー=音楽ダンスなどのショー楽しめるレストラン通例夜営されるhttp://ejje.weblio.jp/content/cabaret


西城秀樹の「ナイトゲーム」




2012年12月18日火曜日

Too Young To Die, Too Drunk To Live / Alcatrazz 歌詞の考察~生きているには酔いすぎた

先日の「Jet To Jet」の翻訳の流れで「Too Young To Die, Too Drunk To Live」を翻訳してみました。



この曲はアルカトラズの曲の中で一番好きな曲です。そのタイトルの刹那さ、グラハムの情熱的な声、イングヴェイの美しいメロディラインと、本当に魂を揺さぶる曲です。

この曲の詩は以前からある程度理解していました。「Jet To Jet」より、ずっと分かりやすい詩だと思います。


Too Young To Die, Too Drunk To Live 
死ぬには若すぎる、生きているには酔いすぎた 

Chemical kids lost in the street
Looking for some kind of saviour
 
通りから姿を消した化学薬品(注:恐らく合成麻薬)で汚染された子供たちは
一種の救世主みたいなものを探している
Perverted mind lead them like sheep
Into the slaughter they have to face
"Too young to die, too drunk to live"  
倒錯した心は彼らをまるで羊のようにして虐殺へと導く
彼らはその事実と向き合わなければならない 
"死ぬには若すぎる、でも生きているには酔いすぎた" 
As they follow in the path of believers before them 
彼らの前を行く信者たちの後を辿っていくように 
Too young to die, but there won't be too long to live 
死んでしまうには若すぎる、でも生きていられる時間はそう長く残されてはいないだろう

Daddie's princess fixes her hair
Powders her nose from the inside
 
父親の愛娘は髪をとかしながら
麻薬を鼻から吸い込む 
Smokes in the car, drinks her last beer
Soon she'll be ready for one more day
 
車の中でタバコを吸い、最後のビールを飲み
まもなく彼女はもう一日生きるための準備をするだろう 
Head for the classroom and to hell
But the clock up on the wall
Hold the blind face of freedom
 
彼女は地獄のように退屈な教室へと向かう
でも、壁の上の時計は自由という名の盲目の顔を保ったままだ 
There's time to die
But she just needs more time to live
 
死ぬべき時は来た
でも、彼女はもっと生きる時間を必要としている

What's the time? Is that the time? Yeah!
それは何の時間だ? その時がきたのか?

Ten years from now
Look how they change
They're so mature and respected
 
10年たった後
どれほど彼らが変わったか見てごらん
彼らは成熟し、尊敬されている 
It makes them laugh
They were such fools
So unaware of the real live world
 
その変化は彼らを笑わせる
あの頃の彼らは本当にバカだった
彼らは現実世界の事など何も気づいていなかったんだ 
"Honey I'm home, fix me a drink
'cause it's been a long hard day and the boss drove me crazy
Watching the clock on the wall for the happy hour
"
「ハニー、帰ったよ。何か飲み物でも出してくれないか?
とても長くてハードな一日だったよ。上司のせいで僕は気が狂いそうだった
幸せな時間のことを考えて壁の時計ばかりみていたよ」
Watch out! Watch that man come go running out. Yeah!
気をつけろ! 駆け出してくるあの男を見ろ!


(歌詞はライブで歌っている歌詞にしました)


YouTubeにはいくつかのライブ映像がありますが、個人的に一番良いプレイは

「Live Sentence」
http://www.amazon.co.jp/Live-Sentence-Alcatrazz/dp/B005IUB4UW

です。

これがグラハムの歌とイングヴェイのギターの両方が一番良い演奏だと思います。


次はグラハム・ボネットの代表曲で「Night Games」を翻訳したいと思います。




2012年12月16日日曜日

Jet To Jet / Alcatrazz の歌詞の考察~そんなことがあなたの望みなら、あなたは死ぬ

アメリカのハードロックバンド(ヘヴィメタルでしょうか…)、Alcatrazzの1983年発表アルバム『NO PAROLE FROM ROCK 'N' ROLLl』(ロックンロールからは仮出所できない~邦題:アルカトラス)に収録された曲、「Jet To Jet」の歌詞について考察してみました。



AlcatrazzはRainbow(巨匠ギタリスト、リッチー・ブラックモアのバンド)でボーカルを務めたことのある情熱派シンガー、グラハム・ボネットのバンドで、このAlcatrazzのギタリストは、まだ若手だった頃のイングヴェイ・マルムスティーンです。(イングヴェイ・マルムスティーンはスウェーデン出身のギタリストで、超速のメロディアスな奏者であり、やはり巨匠ギタリストです)

わたしはイングヴェイ目当てでこのアルバムを買ったのですが、当時は、この「Jet To Jet」の歌詞の意味が全く分かりませんでした。(和訳はついていなかったと思います。知らぬ間にCDを紛失していて、確認できません)

その中の歌詞の一部を、

Call me master and I call you boy, I want need you the most

と聞いていて、「私のことを師と呼び、わたしは君を坊やと呼ぶ。わたしは君のことがとても必要だ」という意味だと思っていて、「リスペクトし合う、なんてすばらしい歌詞なんだ」と思っていたのですが、今日詳しく歌詞を調べてみたら、これは全くの聞き間違いだということがわかりました。

そもそも、「need you the most」は1番の歌詞で、「call me master~」は2番の歌詞であり、ごちゃ混ぜになっていたわけです。

以下が正しい歌詞です。

Jet To Jet

On a short trip we made a landing
Then we were strangers in town
How they stared as we made our exit
We're white they're all brown
Dr.Livingstone where are you
When we need you the most
We're white as ivory on the ivory coast 
Jet into jet 
Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
So predictable washed out white
Men foriegners are here
Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
How that wounds me just leave me here to bleed 
Jet into jet 
Black mans burden is on his shoulder
And keeps him well in his place
Two hundred pounds worth of megawatts
That smack him in the face
There's no reason to take the weight
Life's not strapped to your head
Don't wear the token till the token black is dead 
Jet into jet


検索すると、いくつも和訳が見つかって、「ああなるほど、これはそういう意味なのか」と改めて理解しました。まず、そもそものタイトルである「Jet To Jet」ですが、やっとわかりました。「漆黒」のことを英語で、「jet black」というのですね。jetは、漆黒の~ という形容詞のようです。

「we are white, they are all brown」という歌詞があるので、白人と黒人を歌った歌だとは分かっていましたが、jetが漆黒を指していると知って、やっと何故このタイトルになったのかが分かりました。

さてところで、この検索でみつかった和訳ですが、どれもかなりおかしな訳ばかりでした。

例えばこの部分の訳

So predictable washed out white 
Men foriegners are here

http://www.fuwakumusic.com/A/Alcatrazz/Jet_To_Jet.htmlからの引用

ここじゃ白人の外国人は
色あせることが推測できるだろ

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1220104832からの引用

ここで白人は“色あせて”外国人になるのは確実だ

えーと、意味不明です。

それからこの部分

Black mans burden is on his shoulder 
And keeps him well in his place

http://www.fuwakumusic.com/A/Alcatrazz/Jet_To_Jet.htmlからの引用


黒人の重荷は彼の肩の上に
そして彼を満足につけあがらせないんだ


http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1220104832からの引用



黒人の男の責任が彼の肩に委ねられ
彼は街で快適に過ごす


えーと、意味不明です。






まず、

So predictable washed out white 
Men foriegners are here


ですが、これは正しく書くと恐らく、


So, (It is) predictable (that) washed out white men foreigners are here.

という文章です。

predictableは「予測可能な」という形容詞であり、white men foreigners (白人の外国人)で1文節で、

よそ者の白人であることを洗い流した彼ら(白人のよそ者)がここにいることは予測可能だ

となると思います。これだけだと更に意味がわからないですね。前の文章を見てみましょう。

Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
So predictable washed out white
Men foriegners are here

Eat their poisonは命令形で、「彼らの毒を食べろ」です。
like true ambassadorsは、「まるで本物の大使のように」です。
We will drink up their beerで、「我々は彼らのビールを飲む」の未来形です。

ですので通して読むと、意訳とすれば、

親善大使のように、毒だと思っている彼らの飯を食べ、彼らのビールを飲め
そうすれば、よそ者の白人なんてレッテルを剝がせることは予測可能だ

となると思います。



そして、続くここです。

Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
How that wounds me just leave me here to bleed 

ここが、ちょっと問題でした。

この記事を書いたので友人に意見を求めたところ、これは黒人差別的表現なのではないか?と言われました。

Call me master I'll call you boyは、「わたしをご主人様と呼べ、わたしはお前を召使いと呼ぶ」です。
If that is all that you needは、「それがお前の望む事の全てなら」です。
How that wounds me to bleedで、「それがどれほど私を傷つけ血を流させるだろう」で
just leave me hereで「ちょうどここに私を残して」となります。

わたしの友人は、If that's all that you needの「you」が黒人だと考えたようです。

つまり、「黒人が『わたしをご主人様と呼べ』なんて言いやがったら、奴をぶちのめしてやる」という意味と解釈したようです。

ですが、わたしはそう思いません。

Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
So predictable washed out white
Men foriegners are here
Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
How that wounds me just leave me here to bleed 

これ全体で一つの文脈ですが、まず、「彼らの飯を食べろ」は命令形なので、誰かに対して言っている言葉、ということになります。

誰に対して言っているか? 親善大使のようにそうするのですから、当然、この街に来ている我々であり、自分の仲間に対してであると解釈できます。後には、「そうすれば白人のよそ者という事実は洗い流せるはずだ」とあり、ここからも白人のよそ者に対して言っていることがわかります。Eat "our" poisonではないので、黒人が白人に対して「我々の飯を食え、そうすれば仲間にしてやる」と命令しているわけでは絶対ありません。

問題なのはIf that's all that you needの「you」が誰なのかですが、先ほども言ったように、ここは、自分の仲間に対して話している文脈なので、「you」というのはやはり、自分の仲間だと解釈するのが妥当だと思います。あるいは、この曲を聴いているあなたに対してです。

「彼ら」つまり、黒人に自分たちをご主人様と呼ばせ、黒人を召使いと呼ぶようなことを望んでいれば、もしここに取り残されたりすれば我々は彼らから袋叩きにあうぞ、という歌詞だと思われます。だって、we were strangers in town、この街では我々はよそ者なんですから。






次に

Black mans burden is on his shoulder 
And keeps him well in his place

ですが、

burdenは「重荷」とか「苦労」です。それが彼の肩の上にあり、彼とはblack man 「黒人」です。

keep him well は「彼を良い状態に保つ」で
in his placeは「彼の立場で」です。

burdenがいつも彼の肩の上にあって、それが彼の代わりに彼の立場を保っている、ということでしょうか。後ろの文を読んでみると、意味がなんとなくわかってきます。

Black mans burden is on his shoulder
And keeps him well in his place
Two hundred pounds worth of megawatts
That smack him in the face
黒人の苦悩はいつも彼らの肩の上にあり、そのおかげで彼らは生きていける
(白人は)たった200ポンド(今日現在2万7千円くらい)の金を、
100万ワットのまばゆい光のように彼らの頬に叩きつける

こんな感じではないでしょうか?

「白人に隷属することで黒人はお金を得られ、それで多少なりとも裕福な生活が出来ています。それは事実です」(←歌詞の意訳)

ここからが重要で、この歌の本当に言いたいことだと思います。

There's no reason to take the weight
Life's not strapped to your head
Don't wear the token till the token black is dead 

There's no reasonで「そこには理由なんてない」
to take the weight (away)で「重荷を取り去る」
Life is not strapped to your headで「人生はあなたの頭には縛り付けられていない」
Don't wear the tokenで「その印を着飾るな」
till the token black is deadは、the token blackで「黒人である証」で、tillは「~まで」、deadは「死ぬ」の過去形ですから、「黒人である証が消えてなくなるまで」です。

ここで考えなければならないのはweightですが、この「重荷」は当然この前で語られた、黒人の肩にのしかかっている負担「burden」であると解釈するのが妥当だと思います。ですから、

黒人の生活の支えとなっている白人への隷属をやめるのに、理由なんてない。
本当のあなたは鎖で縛りつけられてなんかいない、自由なんだ。
だから、肌の色が何であるか分からなくなってしまうその日まで、
いつまでもそんな黒人らしさである隷属をしていてはだめだ。

という意味だと、わたしは思うのです。

つまりこの歌は、1番では黒人の街に降り立った白人の困惑を歌い、2番では黒人の街では彼らを尊重し彼らのようにふるまうべきだと歌い、3番ではその黒人たちに対して「自ら立ち上がらないとだめだ」と歌っているのだと思います。





さて、では、わたしの全文の翻訳を記したいと思います。正しいと良いのですが…


Jet To Jet
急いで黒人になれ


On a short trip we made a landing
Then we were strangers in town
 
短い旅の中、我々はそこに上陸した。
我々はその街ではよそ者だった。 
How they stared as we made our exit
We're white they're all brown
 
我々がそこを去ろうとした時、彼らがどれほど我々をじろじろと見たことか
我々はみな白人で、彼らはみんな褐色の肌だったからだ
Dr.Livingstone where are you
When we need you the most
 
リビングストーン博士(注1)、あなたはどこにいるのか?
我々が一番あなたを必要としているこの時に 
We're white as ivory on the ivory coast  
我々はアイボリーコースト(注2)の、象牙色の砂のような白い肌だ

Jet into jet  
急いで漆黒になるんだ(彼らのようになるんだ) 
旅客機で黒人の国に降り立った(2014/06/30)


Eat their poison like true ambassadors
We will drink up their beer
本物の親善大使のように彼らの飯を食べ、彼らのビールを飲め 
So predictable washed out white
Men foriegners are here
 
そうすれば、白人のよそ者だなんて彼らは見なくなる 
Call me master I'll call you boy
If that's all that you need
 
「私をご主人様と呼べ、私はお前を召使いと呼ぶ」
そんなことがあなたの望む全てなら 
How that wounds me just leave me here to bleed  
ここに私が取り残されたとすれば、どれほど傷つき血を流すことになるだろう 



Black mans burden is on his shoulder
And keeps him well in his place 
黒人の苦しみはいつも彼の肩の上にあってそのおかげで彼は生きている
Two hundred pounds worth of megawatts
That smack him in the face 
白人達はたった200ポンドの金を、まばゆいばかりの光のようにして
彼の頬を叩くからだ
There's no reason to take the weight
Life's not strapped to your head
 
肩の重荷を取り除くのに理由なんてない
人生はあなたの頭には縛り付けられていない 
Don't wear the token till the token black is dead  
あなたが黒人であることが分からなくなるようになるまで、その印を着飾っていてはだめだ

最意訳します。

短い旅で降り立った地だが、我々は完全によそ者だった。
我々がその地を去ろうとする時、彼らはどんなに冷ややかな目で我々を見たか。
我々はみんな白人で、彼らは黒人だからだ。
リビングストーン博士、あなたはどこにいるんだ?
いまこそあなたが必要なのに…
我々の肌はアイボリーコーストの砂浜のように白い。 
彼らのように振舞わないと… 
彼らの食べるものを食べ、彼らの酒を飲もう。
そうすれば彼らと打ち解けることが出来るはずだ。
「私をご主人様と呼べ。私はおまえたちを召使いと呼ぶ」
そんなことを望んでいるなら、
我々はきっと彼らから手痛い仕打ちを受けることになるだろう。 
黒人はいつも虐げられていて、それに甘んじていないと彼らは生きていけない。
白人はわずかな金をまるで大金のようにして彼らをこき使うからだ。
あなたの肩にのっているその重荷を取り除くために、理由なんていらないんだ。
人生があなたを縛りつけるんじゃない。あなたが人生をつくるんだ。
あなたが死んでしまうその時まで、そんな、
黒人であることの重荷に縛り付けられていてはだめだ。



 グラハムの言いたかったことが、やっと理解できた日曜日でした。



(注1:リビングストーン博士=ヨーロッパ人で初めて、当時「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカ大陸を横断した。また、現地の状況を詳細に報告し、アフリカでの奴隷解放へ向けて尽力した人物でもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/デイヴィッド・リヴィングストン

(注2:アイボリーコースト=西アフリカ:コートジボワールの海岸
http://ja.wikipedia.org/wiki/コートジボワール


ちなみに、この動画のギタリストはイングヴェイが脱退した後のスティーブ・ヴァイ(やはり巨匠)



脱退した後のイングヴェイのギター(ボーカルはジェフ・スコット・ソートだったでしょうか)


ボーカルはどっちも悪くないですが、ギターははるかにイングヴェイの方がメロディアスで素敵です。

というか、イングヴェイは、本当にこんなに暴れながら弾いているからすごい。

そして、後半は彼の尊敬するジミ・ヘンドリックスばりに、めちゃくちゃ。


黒人だけではなく、もっとギターに愛を…




19:48 追記

日本人バンドのすばらしい演奏を発見! すさまじいドラムのテンポにも負けずに、ギターがすばらしすぎ






2012年12月14日金曜日

すぐそこにある児童虐待~あなたの子は未来を担えるか?

ふと、考えました。


外で元気に遊んでいた子供が、遊び疲れてお腹がへったので家に帰ってきました。

「ただいまー」

母親は言いました。

「お帰り」

…。

なんでしょう、この理不尽さは?


疲れ果てて帰ってきたわが子に対して、

「迷惑だ、来るな、帰れ!」

と言っているのです。なんという虐待でしょう? 人格を疑う発言です。



えーと、


まず、「帰る」という動詞は、ら行で五段活用し、「帰らない、帰ります、帰る、帰るとき、帰れば、帰れ」となります。

ところで、日本語の特に女性的表現では、「帰れ」という表現を「お帰り」と表現することがあります。

「気をつけてお帰り」(気をつけてかえりなさい)

こんな感じですね。

ですから、「お帰り」は、「帰る」の命令形ということになります。



口語というのは非常に曖昧で、多くの場合、いくつかの言葉が省略されます。

しかし、通常、省略されるのは主語です。

「バナナを食べたことはありますか?」 

「あります」

省略されたのは、「バナナを食べたこと」という主語です。

述語である「ある」は省略されません。

「バナナを食べたことはありますか?」 

「バナナを食べたこと」

 変ですよね?

「あなたが食べたのはバナナですか?」

(私が食べたのは)バナナです」

やはり、省略されるのは主語です。

述語を省略してしまうと、意味がわからないのです。





ですから普通人間は、述語を最優先して解釈します。




「お帰り」という言葉には二通りの解釈があって、1つは先に述べた「帰る」の命令形ですが、もう1つは名詞「帰還」を意味する丁寧語や尊敬語としての「お帰り」です。

「お帰りをおまちしております」

こんな感じですね。



日本語は非常に曖昧ですから、単順に「お帰り」といった場合、このどちらとも解釈することが出来ます。

「お帰り」が名詞として解釈された場合の本来の意味は、

「お帰り(をうれしく思います。)

となります。

お帰りが動詞として解釈された場合は、

(おまえは)帰れ!」

となります。


ですが、複数の解釈ができる言葉の場合は、基本的な文法に沿って解釈されるべきで、つまり先に述べたように、まず述語として解釈されるべきなので、「お帰り」といわれたら、帰るの命令形である「帰れ!」と言われたと解釈するのが正常な言語のあり方であるはずです。

なんて失礼な母親なんでしょう?



ですから、あなたのかわいいお子さんがお帰りになられたとしたら、決して「お帰り!」などと言ってはいけません。

かならず、

( お帰りを) 嬉しく存じます」

と申し上げましょう。未来を担うべき、日本の宝に対しての配慮が必要です。

そしてこれは、全て冗談です。